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  3. 介護保険制度の成り立ち

なぜ介護保険が必要になったのでしょうか?

時代の変化と共に介護制度も大きく変化していきました。その理由について現役の介護職員としても講師としても長く活躍中の職員が解説します。

制度の成り立ち

 介護保険制度とは、2000年から施行された介護保険法に定められた、高齢者問題に対応するための制度で、元はドイツの介護保険をモデルにして作られたんですが、日本の社会にとっては当時、とても画期的な変化でした。制度制定の背景には、今後日本では一段と高齢化が進み、要介護者が増えたり、介護の期間も長くなるという想定が既になされていたということもあります。
 さて、それまでの高齢者施策というと、老人福祉法などを基盤にしていて、利用者負担の大きさや、そもそもサービスの種類が少ないという諸問題に加えて、何より利用者が自分でサービスを選択できないという問題が大きかったのです。
 介護保険制度の大きな特長のひとつは、そのように利用者が必要なサービスを選択できるということですが、その水先案内人、サービスの調整役として、制度開始とほぼ同時に誕生した重要な資格が、介護支援専門員(ケアマネージャー)と言うわけです。

制度のしくみと課題

 介護保険は市民の介護を社会全体で支える仕組みになっていて、40歳になれば、全ての市民が介護保険料を負担して成り立ちます。
 自身や家族に介護が必要になった場合は、先ずは要介護認定を受けた上で様々な介護サービスを受けることができるようになります。どのようなサービスを受けたいか、また受けたほうが良いかはケアマネージャーがケアプランを練って、利用者が同意し、そのプランに沿って、訪問介護、デイサービスや福祉用具など様々なサービスを使うことができるようになるのです。
 ただ、時代と共に介護保険もいろいろな問題が表面化してきていることも事実です。ますます進む高齢化と要介護者の増加で、社会保障の財源自体がとても厳しいこと。サービスの数を増やしたくても、それを担う介護人材が圧倒的に不足していることなどです。この問題に対応するために打ち出したのが、外国人人材を積極的に活用する技能実習制度などの施策というわけです。

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