実際に17年間、介護の現場に立ってきて思うのは、お金のためとか生活のためとかで介護の仕事を選んでいる人はあまりいないのではないかということです。
　「お金のためではない」というのは少々誤解を生むかもしれませんが、処遇面ではお世辞にも優れているとは言えなくとも、介護で働いている人の多くは人間的に魅力があり、仕事にやりがいを見出したり、何より人との関わりを大事にしている人が多いというのが印象です。
　また、介護で働く人は、介護の理念をとことん追求することによって、他の職種よりも高いモチベーションを維持し続けることが可能だと考えています。
　昔から、介護は3Kの仕事の代表のようなくくりをされてきた歴史はありますが、心身ともにきつい中にも、このように利用者や同僚とのかかわりに喜びを見出し、モチベーションを保っていられるからこそ、介護の仕事を長く続けている人も多いと言えるのではないかと思っています。