家族の中に要介護者が出たとき、その家族は一様に驚き、とまいどいます。家族の中で介護が完結される
ことがベストなのは、介護を受ける側の思いを考えても当然でしょうが、その理想の姿と現実問題の間に立
って悩み葛藤するのが介護家族の常とも言えます。そのようなときは、家族だけで抱え込まず、有効な社会
資源を利用していくのは罪でもなんでもなく、むしろ勧められるべきことかもしれません。
　介護職の中には、サービスを受ける利用者の家族と接するとき、変に身構えたり、一線を画したり、極端
な例では「家族は敵」のように考える向きもあったりします。しかしながら、家族はその利用者にとっては
一番の味方であり、またはそうあるべきもので、ある意味、利用者と家族は一心同体であることも忘れては
いけないでしょう。つまり、介護職は、利用者をケアするのみならず、家族もケアしなければならないとい
うことを忘れないようにしたいものですね。