認知症介護は、昔も今も、認知症の症状に焦点を当て、業務や流れを中心に介護や生活支援をするという考え方が中心だったところに、「その人を中心とした」ケアを打ち出したのがパーソンセンタードケア(PCC)であり、現在の認知症ケアの理念の根幹となっています。
　PCCは1980年代に英国のトム・キットウッド教授により提唱され、その後日本や世界に広がって受け継がれています。PCC全体をこの短いコラムの中で語ることは不可能ですが、先ずは認知症の人に対する壁や偏見を取り去ることから始まると思っています。
　皆さんは何か持病を持っておられますか。例えば、あなたが「ああ、白内障の○○さんですね」と、その持病に代表して語られたとしたら決して良い気はしないでしょう。あなたはあなた、その人はその人、全て尊厳を持った一人の人です。先ずそういう気持ちで接することから始めましょう。PCCに関する本を一冊読んでみませんか。