最近でこそよく知られたQOLですが、この言葉が一般に使われるようになったのは1970年代に遡ると言わ
れています。高度成長期で、これからは物の量より質が大事だと言われ始めたのが発端と言えます。
　皆さんにとってのQOLとは何ですか。そしてQOLを高めるもの（こと）とは何ですか。一口にQOLと言っ
ても、万人に共通するものはなく、個々にまったく違うのではないでしょうか。
年を重ね、要介護や認知症になった人にとっても、ケア者は、その人のQOLとは何であり、何がQOLを高
めるものであるかをよく理解し、その後押しをすることが介護の理念として、とても大切なものではないで
しょうか。QOLは先ずは本人に聞くこと。そしてご家族から情報収集したり、よく観察したりすることが大
事です。QOLは高齢者にとっての「生きがい」と同じです。生きがいを持つことは、心身ともに健康な状態
で人生の最後の時期を送るために必須のものです。