45歳にしてビジネスマンだった筆者が介護業に転職して感じたこと
筆者の個人的な話からさせていただきますと、若い頃は、人生のどこかで介護の仕事をする
などとは思ってもみませんでした。私が大学生のときは、今のように超高齢化社会でもなく、
まだ介護という言葉自体、あまり一般的ではありませんでした。介護保険制度も始まっていま
せんでした。
外国語大学を卒業して自分の興味ある分野のメーカーに就職し、多くの同期がそうであった
ように、数年後には海外赴任して、当時はやった「ジャパニーズビジネスマン、24時間戦えま
すか」を地で行くような仕事に明け暮れていました。
それがやむを得ない事情で会社を退職し帰国した後、45歳という実に微妙な年齢で再就職
の活動を始めなければならなくなりました。当初は、自分の専門や経験を活かして、海外事業
、貿易など、まさに狭い視野での活動だけで、その結果、書類選考だけで落選が続きました。
半年間のプータロー生活を送り、心身ともに疲れ果ててしまったときに妻がかけてくれたひと
言が「介護受けてみない?」というもので、後の私の人生を変える試金石となったのです。
すぐに受けてみようと思ったのは、未経験だからという不安が邪魔をするよりも、もう時間
的にも精神的にもそれ以上考える余裕もなかったからというのが正直なところです。求人は多
数出ていましたし、手始めに条件に合いそうなものを二社選んで面接を受けたら、たちまち二
社とも合格してしまったのです。
おそらくその合格は、介護業界において、私の専門や経験が認められたからではなく、とに
かく当時も今も、そしてこれからもさらに続く介護業界に特有の問題、万年人材不足という背
景があったからだと理解しています。
筆者は元来、新しいことにもなんでも前向きに挑戦したいタイプでもあったので、あまり深
く考えずに仕事を始めましたが、先輩職員たちにもいろいろなタイプがあり、逐一親切に教え
てくれる人、静かに「そんなことも出来ないの」という目で見る人、大声で叱る人など様々で
した。
しかし、それは何の仕事でもつき物、最初は様々な先輩や上司を受け入れ、前向きに吸収し
ていくのがいいと思います。「自分の考えは違う」と心の中では思っても、それを一つ一つ口
にしても逆に進歩は見込めません。
特にお勧めしたいのは、仮に「生活のためで、本当は介護なんかやりたくなかった」という
気持ちが事実だったとしても、最初は無理にでも封印し、それを踏み台にして、なにか自分に
プラスになることを少しでも吸収してやろうという反骨精神です。
そして、世の中が介護職に対して、「3Kの仕事」「給料が少ない」など必要以上にネガティ
ブな情報ばかり出していることにも反骨精神を持ち、逆にそれを誇りにしてください。
筆者は幸運なことに、すぐに介護の魅力に取りつかれ、特に認知症介護の奥の深い世界に魅
了されてしまいました。一般企業にありがちな「売り上げ、利益、そのためには打算的な考え
も辞さない」世界とは一線を画し、人の気持ち、感情、人間の自立や尊厳を常に考えながら仕
事ができるということは、喜び以外の何物でもありませんでした。
そして、もうひとつ大事にしたのは、「郷に入れば郷に従え」で、その世界で一流になるこ
とを目指し、自己研鑽を怠らないということでした。幸いなことに、この業界は多くの自己研
鑽の機会を筆者に与えてくれました。自分磨きを怠らないことで、「常に楽しく肯定的な気持
ちで仕事に向き合える」というご褒美をもらうことが出来たのです。他の業界でも同じことは
言えますが、介護業界では、それをもらえる機会が他にもまして大きくなることは、経験者の
筆者が保障します。さあ、介護職の門をたたいてみませんか。
などとは思ってもみませんでした。私が大学生のときは、今のように超高齢化社会でもなく、
まだ介護という言葉自体、あまり一般的ではありませんでした。介護保険制度も始まっていま
せんでした。
外国語大学を卒業して自分の興味ある分野のメーカーに就職し、多くの同期がそうであった
ように、数年後には海外赴任して、当時はやった「ジャパニーズビジネスマン、24時間戦えま
すか」を地で行くような仕事に明け暮れていました。
それがやむを得ない事情で会社を退職し帰国した後、45歳という実に微妙な年齢で再就職
の活動を始めなければならなくなりました。当初は、自分の専門や経験を活かして、海外事業
、貿易など、まさに狭い視野での活動だけで、その結果、書類選考だけで落選が続きました。
半年間のプータロー生活を送り、心身ともに疲れ果ててしまったときに妻がかけてくれたひと
言が「介護受けてみない?」というもので、後の私の人生を変える試金石となったのです。
すぐに受けてみようと思ったのは、未経験だからという不安が邪魔をするよりも、もう時間
的にも精神的にもそれ以上考える余裕もなかったからというのが正直なところです。求人は多
数出ていましたし、手始めに条件に合いそうなものを二社選んで面接を受けたら、たちまち二
社とも合格してしまったのです。
おそらくその合格は、介護業界において、私の専門や経験が認められたからではなく、とに
かく当時も今も、そしてこれからもさらに続く介護業界に特有の問題、万年人材不足という背
景があったからだと理解しています。
筆者は元来、新しいことにもなんでも前向きに挑戦したいタイプでもあったので、あまり深
く考えずに仕事を始めましたが、先輩職員たちにもいろいろなタイプがあり、逐一親切に教え
てくれる人、静かに「そんなことも出来ないの」という目で見る人、大声で叱る人など様々で
した。
しかし、それは何の仕事でもつき物、最初は様々な先輩や上司を受け入れ、前向きに吸収し
ていくのがいいと思います。「自分の考えは違う」と心の中では思っても、それを一つ一つ口
にしても逆に進歩は見込めません。
特にお勧めしたいのは、仮に「生活のためで、本当は介護なんかやりたくなかった」という
気持ちが事実だったとしても、最初は無理にでも封印し、それを踏み台にして、なにか自分に
プラスになることを少しでも吸収してやろうという反骨精神です。
そして、世の中が介護職に対して、「3Kの仕事」「給料が少ない」など必要以上にネガティ
ブな情報ばかり出していることにも反骨精神を持ち、逆にそれを誇りにしてください。
筆者は幸運なことに、すぐに介護の魅力に取りつかれ、特に認知症介護の奥の深い世界に魅
了されてしまいました。一般企業にありがちな「売り上げ、利益、そのためには打算的な考え
も辞さない」世界とは一線を画し、人の気持ち、感情、人間の自立や尊厳を常に考えながら仕
事ができるということは、喜び以外の何物でもありませんでした。
そして、もうひとつ大事にしたのは、「郷に入れば郷に従え」で、その世界で一流になるこ
とを目指し、自己研鑽を怠らないということでした。幸いなことに、この業界は多くの自己研
鑽の機会を筆者に与えてくれました。自分磨きを怠らないことで、「常に楽しく肯定的な気持
ちで仕事に向き合える」というご褒美をもらうことが出来たのです。他の業界でも同じことは
言えますが、介護業界では、それをもらえる機会が他にもまして大きくなることは、経験者の
筆者が保障します。さあ、介護職の門をたたいてみませんか。